会社の中間地点には、4つのゴールしか無い。
ビジネスマンやちょっとした飲み会などで質問する。
『法人に対しての対立語ってなんだと思いますか?』
意外と知られてないことに、法人というものが何なのか、ということだ。
法人=会社というものは、どういう経緯で作られたのか、どういう存在として我々の社会に存在してるのかということを考えると面白いことが見えてくる。
一番最初の質問の答えは、『自然人』である。
なんだか、耳慣れない言葉ではあるが、要は、ヒト(=生身の人間)のことを言っている。
それぞれの詳しい意味は、他の記事に譲るとして、要は、法人というものは、生きてる人間=自然人と同様に、権利を保有することができる存在を法的に認めているのである。
自然人と法人(ビジネスの主体) | 北九州の弁護士なら| ひびき法律事務所
我々自然人は、時間が経てばほぼ確実に死ぬ。(カルト的な話もあったりするので、“ほぼ”と付けている)
でも、法人は、時間が100年経っても、1000年経っても死なない。(もちろん、大半は廃業して無くなる=死ぬ、が)
そういう意味で、会社を立てるときに、以下のことを知っておいて欲しいと思います。
会社の中間地点には、4つのゴールしかない。
めちゃくちゃ大事なことなので、『投資してください!』と言われた時に、最初にこの問答をするので、先にここで記事化していくことで、そのやりとりを省きたいと思う。
では、その4つのゴールとは何かを羅列する。
- 会社を上場させる(IPO)
- 会社をM&Aして譲渡する(=現金化する)
- タイミングを決めて解散する(廃業する)
- 子供や親族、その他に相続して継続する
色々とあると思いきや、実はこの4つしか選択肢が無い!
当たり前のことを言ってるのだけども、意外と知られてないというか、起業する人の多くは、この4つしかゴールがないという事実を意識してないことが多々あるのだ。
あなたの会社をどうしていきたいのですか?という問いかけに対して、この4つの選択肢のどれを目指してるのかが言えないというのであれば、当然ながら出資をして、株を保有しようとは投資家は思わないだろう。
また、解散の予定であったとしても、そのチームが目指すある特定の目的のために作られ、その目的に共感しているのであれば、出資して目的を果たすために実行することもエンジェル投資であれば、可能である。
起業家は、この4つのどれを目指すのかを明確にするだけで良いのだ。
①会社を上場させる(IPO)
日本には約4000社の上場企業がある。そして、その会社に所属する社員は、銀行の借り入れがスムーズだったり、住宅ローンが組みやすかったり、給与が安定して高かったりと優遇られている。
それはとても素晴らしいことだし、儲かる年もあれば、極貧になる年もある、というような上下の幅が大きい状態には基本的にはならない。その方が、子育てや夫婦での趣味など、色んな意味で安定した生活と暮らしが送れるので、素晴らしいことだと思う。
当然ながら、4つの選択肢の中で最も実現のハードルは高いと思うし、上場ゴールではないので、上場して社会に対して説明責任を果たし続ける日々はそれなりに大変だと思う。
ただ、社会一般の方々がステークホルダーとして株を保有し、会社の発展に関心を寄せて、そして、期待をして株を買って応援してくれるのはとても良いことだと思うし、それをともに目指したいと思って、エンジェル投資家は投資をするのだ。
②会社をM&Aして譲渡する(=現金化する)
ここ10年で私の回りのベンチャー業界の20代後半、30代前半の方々は、この形で数億円、数十億円、中には100億円を超えるような大金を手にされるケースもある。
それはそれで凄いことだし、会社の経営者として、企業の成長段階に応じて求められることが変わっていく。初期のサービス作りや事業を軌道に乗せるまでが好き、得意!という起業家もいるので、そういう方は、闇雲に上場を目指すというよりも、M&Aに特化して事業を作ったり会社を作ったりして売却を目指して動けば良いと思う。もちろん、このケースにおいても、エンジェル投資家は投資するし、どんどんと活気を出すためには、M&Aを行い、大手企業や上場企業は、自社に必要な事業ドメインやビジネスモデルを強化することはとても良いことだと思う。GAFAの成長事業は、有名な事例だと、googleのyoutube、facebookのInstagram、Oculusなど実に多くの会社を買収して結果として自社の成長ドメインに据えている。
買い手、売り手、双方にとって良い選択肢であることは間違いない。(ケースもある)
③タイミングを決めて解散する(廃業する)
最近、私が関わった学生起業家の会社が休眠企業になった。
それはそれでも良いと思います。起業家がやりきった、学生時代に目立ちたかった、ということであれば、それはそれで彼の望んだような時間が過ごせただろう。
我々の投資家のお金をそういう自尊心を満たすために使ってくれて、彼の経験や血肉になったのであれば、次なるイノベーションの種に間違いなくなるだろうと思うし、ある意味での起業チャレンジ用の奨学金?みたいなもので、我々もそのお金自体は惜しくないし、全く問題ない。(コレは本心)
逆に『確実にリターン返します!』みたいな責任おわれて変に期待値を高めた後に辞めます、、、みたいな感じでダメだと多少こちらも気分が凹むので、『うまくいかない可能性も非常に高いですが、一か八かでやりたいです!』と言ってもらうのは、エンジェル投資家的には全然ありだ。それこそ、リビングデッド企業になるくらいなら、人生の有限な時間を無駄にしてほしくないから、会社なんて潰して次のテーマに取り組めばいいと私個人は思っている。
④子供や親族、その他に相続して会社を継続する
来年のことを言うと鬼が笑う、と言う諺があるが、本当に何十年も先の話かもしれないし、明日あなたは命尽きて、誰かが会社を承継するかも、しれない。
会社は死なない、意図的に潰さない限りは、基本的には無限に生きられるのであって、それを継続させるかどうかは、経営者である自然人の意思である。
そう言う意味では、地方で多いファミリー企業はこういう息子に継がせたい、子や孫たちにと言う思考があることはとてもよく分かるし、良いことだと思う。
まさに、法人という仕組みを最大限活かしてのことだ。
日本は世界でも最も歴史のある企業が多い国であるし、また、最古の法人である『金剛組』である。
さぁ、長くなってしまったw
会社を始めるならば、どのコースを選ぶんだ?と。
4つの中間点を見極めて、どれを選ぶのか、さぁそれは、起業家であるアナタ次第だ!
もし、エンジェル投資が必要だと思ったら、お声がけをして欲しい!
詳しくは、こちらをご参照のほど!