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ビジネスモデルまにあ

人生最低な時を最も近くで見た、起業家Kの証言 【寄稿No.4】

54ブログの読者の皆さま、はじめまして。

起業家Kと申します。

 

山口豪志と出会ったのは、僕が田舎から上京した2012年のおよそ1年後、会社を設立した直後の2013年の夏頃でしたでしょうか。

たまたまサービスを利用いただき、たいそう気に入ってくれたのがきっかけで出資していただき、エンジェル投資家と起業家という関係で付き合いが始まりました。

 

彼は本当に面倒見の良い兄貴という感じで、たくさんの人を紹介していただき、有益なアドバイスもたくさんしてもらいました。

彼のエンジェルとして特筆するところは、どんな状況にあっても決して見捨てることなく変わらず応援し続けてくれるところです。

詳細は割愛しますが、売上が想定より伸びず、会社の組織が崩壊し、倒産寸前までいったことがあります。

そのときも諦めることなくポジティブな言葉をかけ続けてくれたことは、本当に救われました。本当に。

 

そんな、いつも快活でバイタリティがあり、楽天的な彼の様子がおかしくなったのは2019年に入ってからです。

共同代表をしている会社を辞めることに端を発したようでした。

彼は当時、長崎の壱岐に家族と移住し、会議など仕事がある時に東京に来ていたので、その時の宿として私の家にちょくちょく泊まりに来ていましたから、そのことの報告はすぐに受けました。

その時ぼくは「会社クビになった上に、家出少女みたいに家を転々してるアラフォー、ウケるw」みたいな今思えば最低なことを言ってゲラゲラ笑った覚えがあります。笑

この時私は精神的にまいっている状況に気づいていなかったので、いつもの調子でこんな最低な軽口を言えたんですが、その後も「社会保険関係やら住民税やらドカッと来たらどうしよう?」とか「夜全然眠れないんだよね」とかたびたび不安や不調を口にしていて、「おや?」と思ったのを覚えています。

 

実際に夜中にふと目が覚めた時に、山口さんがうなされているように悶ているのを見るに至って、これは本当に精神的に参ってるなと鈍感な僕でも流石に異変に気づきました。

 

決定的だったのは、ある日眠っているところに、夜中に山口さんが「ちょっと一緒に寝させてくれ」ともぞもぞと同じベッドに入ってきた時でした。

客観的みると、おっさん2人が同じベッドで寝るという中々な状況ではあるのだが、それくらい精神的に追い込まれているのを目の当たりにして、どんなに悩み事がなく、強く見える人でも状況によって人は簡単に死にたくなるのだなと。

 

そんなボロボロの精神状態の中でも、彼は決して涙は見せなかったし(感動の涙はすぐに流すが笑)、泣き言や愚痴をいつまでも言い続けることはなかった。

 

夜眠れる方法は片っ端しから試していた。

耳栓とアイマスクをして眠ったり、筋トレや運動が良いと聞くと、家で腕立てしたり、ジムで走ったりした。

夜寝る前にホットミルクを飲むと良いらしいと聞けば、それを飲んでいた。

 

僕は悪い状況の時に、どういう行動を取るかでその人の本当の人間性が見られると思っているのですが、そんな時に彼は大きな不安や苦しさを抱えながらも少しずつ前に進んでいました。

そんな姿を見ていて思うのは、必ず復活する時が来るだろうし、ここを乗り越えた時の山口さんが楽しみだなと思っていました。

そして、そんな悪い状況の時に変わらず寄り添うのが本当の友人だと思っています。

僕はそういう友人でありたいし、困った時に遠慮せず頼って来てくれる人がいるのは嬉しいことだなあと思います。

服を一緒に洗濯して彼のパンツをたたんでいる時は、おれ何やってんだろと、ふと我に帰ることもありましたが。笑

 

そんなこんなで東京に居を構え、家族を壱岐から呼び戻すことになり、同居生活も終わって荷物を引き払う時に、ハグをしたのも良い思い出です。

おっさん2人がマンションの前で抱き合うのも中々ですが。笑

 

そして今、すっかり元気になった山口さんを見て、本当に良かったなあと心から嬉しく思います。

 

人生は長丁場です。

良い時もあれば、悪い時もある。

良い時はともかく、悪い時にも変わらずそばにいる友人でありたいし、恩人にはいつか恩を返したい。

山口さんはもう不要でしょうから、一緒に後世へ遺物を残しましょう。



友人 起業家Kより