芸術にこれからの日本の未来を感じる、私が最初にアートを購入した話
アートのこれからの可能性と未来を信じている。
その理由をつらつらと背景から説明しようと思う。
私のアートとの接点の原点について語るということだ。
そもそも偶然にアートとの出会いははじまった。
私は2016年に国連での仕事でニューヨークに行ったことが、
アートにハマるきっかけになったのだった。
空港で電車のチケットを買うのに困っていた男性を助けたことから、
ひょんなことから私のアートコレクター人生が始まるのだ。
この方が泊まっている日本人が多く泊まる安宿に、仕事の合間に遊びにお邪魔したところ、
その宿にいた大阪出身の、梶川能一さんというアーティストに出会った。
その梶川さんが、その時に開催されていたニューヨークアートフェアというイベントにて
作品を提供しているアーティストとして参加されており、見学にいける有償のチケットをくださった。
無事に国連での仕事を終えてから空き時間に、ニューヨークのマンハッタン島の港のドックスペース、
世界でも有数の巨大なアートフェアで、大型の船が入船する港の倉庫を複数貸し切って、
それこそ世界中のアートギャラリーが参加する巨大な見本市なのである。
入り口から入ってから数時間、さまざまな美術品を見聞きしつつ、たまたま、目に止まったのが、
ピンク色のゲッコー(トカゲ:ヤモリ)の絵だった。
その絵は、独特な風合いで、金属のキャンバスの上に特殊な画材で、まるで鱗や毛が生えているような
立体的な風合いを表現した、素晴らしい作品でした。
一眼見てそれを気に入って、他の作品も眺めていると、
入場チケットをくれた梶川さんがフラッと現れて話かけてくれた。
梶川能一さんについて
私の所有する作品:
そのピンク色のトカゲの絵の話をしたら、なんとその絵こそが、
梶川さんご本人の作品だったということで、絵とのご縁と梶川さんとのご縁も強烈に感じ、
その場で購入させていただいたのが、私がアート作品を集めるきっかけになったのだ。
その後、私が昆虫などの生き物を中心とした作品を集め始めたということで、
投資先の起業家で
以前アート業界に少し関わっていたW氏がアートギャラリーを繋いでくれて、
レントゲンの池内さんと出会うことになるのです。
この池内さん、現代アート業界ではすごい人らしいのですが、
私は彼のところに所属する2名のアーティスト(満田 晴穂氏、森本愛子氏)を特に気に入って
その後のコレクションの軸になって集めることとなりました。
今では、自在置物というカテゴリと分野自体が社会的にも認知されてきていますが、
2018年当時は、まだほぼ周りでも知っている方が全然いない状況でした。
その後満田さんは、テレビ番組『情熱大陸』への出演やさまざまなTV等での露出により
今(2022年)では、ほぼ全ての作品が完売でほぼ手に入らない作家さんになられています。
本当に、4−5年でも状況があっという間に変わるのが、このアート業界の面白さでもあります。
今では、購入することは抽選での販売が中心で、購入した金額をコレクターがオークション等に出すと、
すぐに2倍、3倍の値段が付く、という状況になっているのです。
その時期にアートの話をしていると、TV等に出演されている某学者の方との故意になることになり、
そのご縁から、古美術を購入する機会を得ることになります。
それが、没後100年の回顧展が大反響だった『渡邊省亭』の作品です。
日本が国家として初めて参加した万国博覧会である1850年のパリ万博に国費で参加し、
パリに数年滞在した間に、画家のドガやマネに日本画を教え、また影響を与えた孤高の天才絵師なのです。
彼は、弟子を取らず、また、御子息も詩人となったため、絵の門下生が一人もいませんでした。
その当時は、横山大観、竹内栖鳳たちに対して『お前たちは絵が下手だ!』と言ってのけるほどの
実力の持ち主で、彼の掛け軸一本が家一軒の値段はくだらなかったという物凄い人物だったというのです。
実際に、彼の作品が海外の著名な美術館、日本でも迎賓館や国立美術館にも収蔵されています。
その渡邊省亭の掛け軸を、2018年に古物ギャラリーでの展示にて、複数手に入れることができました。
当時は、数十万円程度(新卒初任給1ヶ月程度)で買えた掛け軸は、今ではその5倍以上の値段で売り買いされています。
彼の作品は本当に見るものを引き込み、その筆裁きや生き物の描写は群を抜いて上手いのです。
ぜひ、実物をどこかで見られる機会があればご覧になっていただきたいのですが、本当にすごい作家です。
さて、このブログでアートの面白さを伝えたいがために書いていますが、
やはり、アートも投資的な観点、いくらで買ったものがいくらになったという生々しい話の方が
面白いと思うので、そのあたりのリアルな話は、私のオンラインサロンでそっと金額も含めてご紹介します。
タイトルにある【芸術に未来を感じる】というのはどういうことがというと、
人類社会における価値についての話をした上で説明するのがよりシンプルに伝わると思うので、まずはその話をご紹介します。
アルビントフラーという、20世紀を代表する未来想像学者が書いた著書に『富の未来』という上下巻の本があります。
私は、その書籍を食い入るように読み返し、7,8回は読んだと思いますが、その中で富についての考え方の記載があります。
富についての概念を過去から現代への変化と、それぞれの価値を感じているものについて説明をくわえた上で伝えており、この本の内容には非常に大きな影響を受けました。
ちなみに、彼のいう6つの価値(の源泉)とは、それぞれ【常識】、【一貫性】、【権威】、【啓示】、【時の試練】、【自然科学】であると説く。
比較して唯一【自然科学】だけが他の5つとは異なる価値観を擁するものであるということがわかると思うが富や価値の話は本編では多く語らないので、ぜひ、詳しくは本書をご参照ください。
私はその価値の6つの内容に共感するとともに、それを前提に価値があると言われているものを自分の身の回りで思い浮かべて検討してみました。
そうすると本書のいう通り、私の身のまわりに溢れている様々な価値があるものと認識されているものが全て書籍のこの定義のどれかに合致していたのです。
我々、人類は普段の生活において、さまざまな購買活動やビジネスを行なっています。
それはつまり、その対価の価値に見合うものを日々商っており、
安いものを買い、高くなるように付加価値をつけて売るという営みをしています。
どんな仕事においても、また、サービスや商品についても
自分を経由したものは、それに対して付加価値をどうにか付ける必要があります。
そうでないとその集団での居場所がなく、居心地の悪いものになってしまいます。
だから、付加価値を付けられる仕事や業務に対して、従事する方はやり甲斐や存在証明を得られて幸せを感じます。
これからの人間社会で圧倒的な付加価値を生み出すのは、『科学』です。
ただ、科学に関われる人間の総数は非常に少ない数となります。
学歴や研究実績など、人口が10倍に増えたら単純に10倍になるものではありません。
ある種の圧倒的な天才達から更に限定された本当に選りすぐりの方しか、科学の発展に貢献することによる、やり甲斐を得ることは難しいでしょう。
では、多くの人々は、どのように自分の存在証明と生き場所を作れば良いのか、という問いが残ります。
私は、その解こそが【芸術・美術・アートにある】と思っているのです。
アートを作り出す、アーティスト・芸術家
アートを集める、コレクター・ファン・支援者
アートに意味を見出し言説を与える、キュレーター・評論家
アートを通じて会話が広がったり、話題がうまれたり、人と人とを繋げたりと、大きな可能性があり、また、介在することによって、自らの付加価値を実際に感じ取ることができるのが、アート業界、美術であると思っています。
そういう意味では、これからの成熟したと言われる日本、そして、そのような状況になっていく人類世界においては、アートの価値の向上、そして、アートがあることで生活自体が豊かになっていくと私は信じて疑いません。
そういう意味で、アート市場、美術業界はこれから、より大きな役割と大きなポジションを創っていくと思います。
そういう事業を、私自身もビジネスとしてこれから取り組んでいこうと思います。
では、また、何か動きがあれば!
チャオ^^
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