54ブログ

ビジネスモデルまにあ

【意識高い系の若者達へ】なぜ、“経歴詐称”をしてはいけないのか?

この週末は、ずっとモヤモヤしていた。

 

何故なら、選挙期間中だから・・・という訳では全くなく、

私も過去に会う可能性が十分にありえる程の距離感の

通称:意識高い系の若者の中心人物のカミングアウト事象があり

後生のために私自身が思ったことを勝手にツラツラと書き残しておきたい。

 

考えるキッカケになった事象のリンク:

「塚本廉」が嘘だったんじゃない、全部が嘘だったんだ

東大卒の起業家の塚本廉さん、中卒ニートだと自白するも、それすら詐称の疑惑あり

togetter.com

 

予め断っておきたいが、このブログは、

未来あるこれからの若者に向けての120%の愛情の気持ちで書いている。

現在の自分よりも若い世代である、

希望あふれる学生や若者たちに向けての精一杯のラブレターのつもりなので、

37歳以上の私よりも諸先輩のみなさまは、黙ってスルーして欲しい。

 

では、タイトルの問いかけを改めて。

 

『なぜ、“経歴詐称”を、してはいけないのか?』

 

○そもそも、誰に具体的にどんな迷惑がかかるのか?

・会社の同僚、顧問先

『同じ穴の狢』という諺があるようにその企業で働く方々や法人格までもが

社歴、経歴や事業についての内容を詐称している状態ではないかと疑われます。

逆説的ですが既に大きな詐称をしていた当事者が在籍(または関与していた)組織なのですから、

同じような社員がいるのではないか、法人自体が信用できないのではないかと思われるのは当然でしょう。

このような法人格の信用毀損は、取り返しのつかない状態になるケースもあります。

私も近しい事案で3千万円規模の損害を受けたという知人経営者を知っていますし、

世間的には芸能人の同様の事象ではスポンサーからの違約金などで、

数億円を・・・というニュースも実際に起こる事です。

会社は信用を無くすと立ち行かなくなりますので、特に注意が必要です。

 

・取引先

取引をしている法人やその窓口をしている担当者には大きな痛手となります。

既存の取引停止、または、担当者自体が減給などの罰則を受ける可能性があります。

少なくとも、それ相応のペナルティは受けてしまい、

自社法人の被る被害以上に関与先の風評被害も含めて、影響が出ることでしょう。

 

・取材してくれたメディア記者、及びメディア自体

取材をした記者は、上司や所属部門内で本事案の説明を求められ、

それがマイナス点となり、出世が遅れることもあり得るでしょう。

そのメディア自体の影響範囲が大きい場合は、

謝罪広告などの対応がされ、実害が出ることとなります。

 

・メディア・イベント等での視聴者・聴衆者

取材で語っていたこと、伝える内容が素晴らしいものであれば、

聞いた聴衆の方々は感化されることでしょう。

それを機に、その話を聞いたことを周りの人に伝えたり、詐称した人物評を

発信したことで、その発信者自体の信用を毀損することになります。

発信者の以後の発言がまわりの方から疑って見られるようになるでしょう。

 

・プライベートの友人達

その人の友人であるという事実から、友達の友達が経歴詐称をしていたから

、彼のまわりは怪しいという印象を持たれ、友人自身の交友関係、

および、仕事関係者からの信用を毀損してしまうでしょう。

『友人だから肩書きは関係なく付き合うよ』という人をSNSでよく見かけますが、

実際には、そんな人は1%以下でも居たらば大変に貴重な状態ではないかと思われる。

多くの人は関係を絶って去る事になる。

『類は友を呼ぶ』と他の他者から思われるからだ。

 

○信用とは何か?

『信用』という社会の仕組みビジネスをある程度しているはずの諸先輩方からすると、

信用の大事さは、特にいう言及する必要はないだろう。

学生の方々からすると信用の有無ではなく、飲み会の席が一緒だったとか、

友達の友達だからというようなユルイ程度から付き合いを始めていることだろう。

だからこそ、社会的な信用なんて者がよく分からなくて当然である。

 

そのために、ここで例え話をする。

もしあなた自身が、東京大学の教授になったとしよう。

あなたと知り合う人たちは、あなた自身を知り合う過程で、

一流大学の教授職という肩書きによって第一印象から信頼を持ってくれるだろう。

これは有名な大学に所属していることも、上場企業や老舗企業に

勤めていることも、弁護士などの資格を保有していることも同様の作用があると思う。

その初対面からの信頼や信用がある状態を得られるのは、

その役割の責任を併せ持っているからに他ならない。

もしも、その肩書きを用いて、嘘を言ったり、犯罪行為を幇助したり、

自身が罪を犯す事になった場合には、その損失は計り知れないからである。 

ちなみにもっと分かりやすく実生活での信用がない状態を説明しよう。

信用がない人は、金融機関からお金が借りられない(借金ができない)、

クレジットカードがつくれない、不動産が借りれないという事態が平気で起きる。

差別のない平等な社会が良い!と言う主張には私も共感するが、

実際には、不動産を貸す側だったり、銀行に預金をする債権者である場合に

そのような綺麗事を同じように言えるのだろうか。

信用がない者にお金や資産を預けたり渡す事ができる聖人が多い世界は

短期的には多くの人から評価されだろうが、

残念ながらその世界は長期的には継続せずに破綻するだろう。

 

 

○結論のようなもの

今回の一件で、九州大学京都大学、各地域の若者達が、

彼を信奉していたと言うことを関係者に聞いた。

今回の一番の被害者は、取引先や関与先、メディアではなく、

私は、聴衆や彼によって希望を抱いた若者達だと思っている。 

 

そもそもなのだが、これからの未来を担う若者たちを指して、

年齢だけ重ねて態度で大人ぶった大人たちが“意識高い系”と揶揄することは

非常に不快でもあり、私自身も普段は気をつけて使わないようにしている。

ただ、本事案が起きてしまったことは、この表現自体が

今回のようなことが起きることをある意味で予見していたように思う。

 

若い時期には何もないものだ。そりゃみんなそうだ。

だからこそ、ハイスペックな若手はキラキラしているのだ、希少価値が高いから。

でも、若者には若者として、まだ何もなくて良いと思う。

なんしろ、生まれてからの月日が短いのだもの。

でも、その代わりにいっぱい良いモノを持っているのだ。

体力と気力、美しさと潔さと瑞々しさ、あらゆる事に精通する可能性・・・

素晴らしい人生がおくれる未来への豊富な時間がある。

 それだけでとても凄い事だし、羨ましくもある。

 

そして、だからこそ、お願いがある。

ミドルエイジになった初期おじさんの小言と思って

祈りとして聞いてほしい。

 

安易に嘘をついたり、経歴やら実績やらを詐称しないでほしい。

信用を得るショートカットのつもりで

アレコレと実績やキャリア、交友関係を偽わらないでほしい。

心からお願いしたいのだ。

君の未来をデザインできるのは、君自身しか出来ない、

そして、それを行うにはそれ相応の時間がかかるのだ。焦らなくて良い。

 

最後に、今回の事案に関わらず経歴詐称の関係者へのメッセージを書いておく。

 

○『経歴詐称』をした、またはしている君へ

今すでに詐称していると自覚のある君は、すぐにでもカミングアウトして欲しい。

取り返しがつかなくなる前に。

最初は誰もがそこまで大きな〈悪気〉があったわけではないだろう。

でも、嘘を重ねていくうちに戻れないところまで行ってしまう事で

大きく不幸な状態を自身とまわりに招いてしまう。

その影響の大きさは、君の予想なんかをはるかに超えたものになる。

だからこそ、今すぐにウソをやめて、カミングアウトして欲しい。

それしか、今から復活する道はない。

嘘をつく人と友達になりたい人や取引したい人は1人もいない。

 

○『経歴詐称』をしてでも成り上がりたい君へ

絶対に嘘をつかず、コツコツと目の前の仕事や趣味で実績を積み重ねよう。

メディア取材やらまわりの友人からの評価なんてのは、

ちゃんと頑張っていれば周回遅れで必ずついてくるものなので。

成り上がりたいという君自体のハングリーさこそが価値であって、

経歴や学歴、職歴なんてのは付き合う相手の信用を

スキップして早く得るため、距離を近づけるための魔法なのだ。

でも、その魔法は自分自身で必ず作れる。

今の行動の後に、道が出来て、それ自体が君の自信になる。

もう一度言うが、今取り組んでいる目の前の仕事や趣味で成果をだそう。

そのことだけが、君が君として自立していく最短の道になる。

 

○『経歴詐称』をした友人がいる君へ

友達を大切にしよう。

でも、それは甘やかすことではない。

それ相応の罪を償う必要がある。

罪の償い方は、三種類しかない。

・金銭的な償い(罰金、損害賠償請求など)

・社会的な償い(精神的キツい状態を数年以上を甘んじて受け乗り越える)

・肉体的な償い(肉体的な労働や身体の自由を奪われて刑務所などに収監される)

 

これらを経て、彼が償いきった後からは、

また受け入れて遊び相手になってやれば良いだろう。

罪を償う前に中途半端な許しをするようでは当事者自身の再起へ寧ろ逆効果になる。

 

○『経歴詐称』してた人を評価してしまった君へ

残念でしかない。

自分の見る目のなさを大きく社会に知らせてしまったが、

それはそれで自己理解には繋がったはずだ。

余談だが、私は過去に友人の経営者に刑事事件にその後なる犯罪者の

ニセ資産家を紹介された事があったが、

彼はそのご自分の見る目のなさを悔いて、人の紹介をするのを辞めたようだ。

賢明であると思うし、人の紹介をするということは、

自分の与信も同じく掛けているのである。

日本では、人の紹介の価値が低く扱われているなぁと思うが、

安易に人は紹介しない方が良い。

あなたが介在したことで良い出会いになったならば良いが、

そうではない事が圧倒的に多いので結果自分の信用も毀損するのだから。

 

 

最後の最後に・・・

私のいるベンチャー業界というのは、外からはキラキラして見えることも多く、

また実際に、国内外の有名国立大卒、MBAホルダー、有名な起業家、

素晴らしいキャリアの方々が本当に多くいる世界だ。

ただ、ある一定数はウソのキャリアの人もいるのだろう。

採用面接などであう人の3割程度は多かれ少なかれ詐称しているくらいの割合で

あり得ると友人のベンチャー経営者が吐露するほどには、私も確かに多い印象がある。

若者たちが大人ぶったり、背伸びなんてしなくて良いのだ、

最初の期待値はあえて低めにでもしておいて、結果や実績で示せば良い。

 

こんなことで“意識高い系の若者”が潰れるのではなく、意識が高まったのならば、

行動を起こそう、実績を作ろう、小さなことからで良いからまず始めてみよう。

 

 

余談として、参考に採用後に嘘の経歴だと解雇できるかどうかの記事を貼っておく。

【弁護士監修】採用後に経歴詐称が発覚した場合の対応法。解雇は可能?