ぼくとやまぐちごうし 【寄稿No.3】
山口豪志との最初の出会いは2013年末ぐらいかな。
当時僕はとあるイベント系サービスをやってて、スタートアップ界隈でちょっとしられているような存在だった頃。
この業界、面白くてちょっと注目されると色んな人が寄ってくる。
僕の場合、そのピークは2012年~2013年ぐらいだったかな。
サービスとしては全然儲かってなくて、そろそろ儲かる何かをやらないとまずいぞなんて思いつつも、変なプライドがついちゃっていて、今思うとやっぱ調子に乗ってたんだろうなぁという時期。
そんなときに山口豪志と出会った。
そのときは色々寄ってくる人の一人に過ぎなかったんだ(言葉はわるいけど)
そこから1年ぐらい経った頃にはもう僕はどん底にいた。
なかなか儲からない。
サービスの注目を集める旬は過ぎた。
仲間は見切りをつけて離れていく。
なんでうまく行かないんだろう?と考え尽くしたとき、原因はすべて僕の足りなさだと気づいた。
自分に自信がなければ起業なんてできない。
でもその土台そのものが崩れてしまったんだよね。
潮が引くように人が寄り付かなくなった。
(もしかしたら自分が人を遠ざけていたのかもしれないんだけど)
すさまじい無力感と孤独感が襲ってきた。
でも資本を入れてもらっている以上、この事業でなんとかしなければならない。
そんなときよ。
山口豪志からこんな言葉をもらったんだよね
「アクタガワさん、ビジネススキルめちゃくちゃ低いですよね」
・・・どうです?
「死者に鞭を打つ」
「傷口に塩を塗る」
この言葉は山口豪志のために用意された言葉だったのかもしれません。
でも、
この時期、僕の本当に近しい人すら正面から向き合ってくれなかったんだよね。
応援するぜ!って行ってくれた人のほとんど
「まぁ、アクタガワさんならやれますよ。」
「なんとかなりますよ」
あ、あんまり僕と関わらないようにしようとしてるな・・・
鈍感な僕でも気づきますよ。
わからないでもないです。
いまの僕も当時の僕と関わり合いたくないと思いますもん。
凄まじいネガティブオーラ出てたので。
変な話なんですけど、あのとき正面から僕に向き合ってくれたのは山口豪志だけだったんだ。
その後も、罵倒しつつも「こうしたらいい」「こう考えたらいい」「●●やって持ってきてみて」と、色々と関わってくれた。
そして、9ヶ月ぐらい経った頃かな。
ようやく自分自身の闇を抜けてきたなと感じ始めたとき彼はこういった。
「で、どうします?事業をどうしたいですか?」
つまりそれは「お前が本気だすなら金出すし、集めるぜ」という話。
そう、実はまったく資本関係もなくコンサルフィーなんかも払ってないのに、死に体の僕に時間を割いてくれてたんだよね。
あの時が「事業構築」を本当に考え始めるようになったきっかけだったなと、今振り返って思う。
なにより、本当の孤独と絶望に落ちきらなくてすんだのは山口豪志のおかげだ。
そしてその数年後、今度は山口豪志が弱ってしまった。
面白いことに、その前年は、彼の調子がピークに達していた時期だった。
人とはそもそもそういうものなのかもしれない。
弱っていたときの山口豪志は素直に自分の弱さを言うことができていて、むしろ人としての好感が出てきたなと僕は感じていた。
あのときの経験のおかげで、心が弱まったときの共感だけはできるかなと思い、色々とはなしは聞いていた。
でも、それだけで十分だったみたいだ。
山口豪志に、僕が辛かったときの感謝の話をすると「そんな事ありましたっけ?」という。
山口豪志は、彼が辛かったときの感謝の話を僕にするが「そんな感謝されるようなことしましたっけ?」と思う。
人は知らないうちに助けているし、助けられているものなのかもしれない。
「ズッ友だよね!」なんて確認の必要もなく、根底で感じる人としての信頼感。
中年になってからそのような関係性を築ける友人ができたことが、起業して得られた最も価値のあるものだったのかもしれないね。
やまぐちさん、こんな感じでOKっすか?
本文章は、芥川武氏( https://twitter.com/netsket_acty )に寄稿いただきした。
ありがとうございます。